この風にこころ啓けば聞こえくる 今は昔、とある国での物語

時空間絵巻Vol.2 カルメン ~ Carmen ~

何故、ホセはカルメンを選んだのか? カルメンは本当にホセに惹かれていたのか? エスカミーリョはカルメンを愛していたのか? 
この愛憎劇の相関関係はカルメン、ホセ、エスカミーリョが抱えた “心の孤独感” にあった

構成/脚本 赤穂隆史

あらすじ / Summary

情熱の赴くまま、愛を求めて生きるジプシー娘、カルメン。彼女は常に男たちの羨望の眼差しの中に居たが、ある日そんなカルメンに目も
くれない騎兵隊員のホセが現れる。初めはただの興味からゲームのようにホセを誘惑するカルメン。ただ次第にホセの誠実さに惹かれ恋い焦がれるようになる。そんなある日、ホセとの久しぶりの再会を心待ちにするカルメンに国民のヒーロー、花形闘牛士のエスカミーリョが声をかけてくる。

一目でカルメンを気に入り言い寄るエスカミーリョにそんな彼を軽くあしらうカルメン。仕方が無く「闘牛場で君の名を叫ぶ」と言い残しエスカミーリョは立ち去ると、ホセはその後間もなく現れる。嬉しさのあまり歌い踊り、ホセに尽くすカルメンであったが、当のホセは帰営ラッパを聞くと帰ると言い始める始末。カルメンは自分より規則を優先するホセに失望し彼の元を去ってしまうのである。

諦めきれないホセ。彼はエスカミーリョを愛するようになったカルメンが闘牛場に居ると知るとそこに向かい復縁を懇願する。
しかしその想いは叶えられるはずもなく、彼は衝動的にカルメンを刺し殺してしまう。
試合が終わりカルメンの亡骸の袂にへたり込むホセの姿を見留めたエスカミーリョ。その時彼は3人の悲劇的な愛の形を悟るのであった。

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