この風にこころ啓けば聞こえくる 今は昔、とある国での物語

時空間絵巻Vol.6 道化師 ~ Pagliacci ~

旅回りの一座で起こった愛憎劇。座長「カニオ」、団員「トニオ」、そして一座が立ち寄った村の青年「シルヴィオ」。
それぞれの“ 愛” の形が一座の女優「ネッダ」をめぐり露わになった時、“ 芝居” のような筋書きとはならない“人間”ドラマの幕が開く...

構成/脚本 
赤穂隆史
音源制作  
上畑正和

あらすじ / Summary

 聖母マリアの祝日である8月15日。座長の「カニオ」率いる旅回りの一座が、まだ若い女優で座長の妻である「ネッダ」、人気者の団員「トニオ」等と共に再びこの村にやってきた。

 今回の出し物は、「カニオ」が扮する「パリアッチョ」の外出中に「ネッダ」扮する「パリアッチョ」の妻「コロンビーナ」が浮気をするという喜劇。しかし実際に「ネッダ」はこの村に住む「シルヴィオ」という恋人がいて、今晩駆け落ちする話しとなっていた。それを知った「カニオ」は二人を取り押さえようとするも、「ネッダ」が「シルヴィオ」に言った「私は永遠にあなたのものよ」との言葉に激高。その後「カニオ」は「シルヴィオ」を取り逃がしたため「ネッダ」に浮気相手を白状させようとする。
しかし開演時間が迫ってきたため、「カニオ」は自身の役である“道化師”の支度を始めることとなる。

 埋め尽くされた客席。そこに「シルヴィオ」も座し芝居の幕が開く。普段通りに芝居する「ネッダ」達。
しかし心の整理がつかぬまま舞台のソデに立った「カニオ」は、「私は永遠にあなたのものよ」と言う「ネッダ」の台詞で逆上してしまう。

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